2100年、1月、アッサラーマ大学のX博士は、「アルバア」という錠剤を秘密裏で発明した。
錠剤「アルバア」は、人間の「さびしい」という感情を服用後1年、消失させる効用を持つ。
切れ長の目を持ち長身であるX博士は、学生時代その洗練された容姿ゆえに大変女性からもてた。そしていくつかの恋愛を経験した。
異性愛だったX博士は女性と付き合うことでしか癒されない、心の隙間というものを強く意識するようになっていった。
女性と別れ、暇をもてあまし、独り自身の部屋で夜を過ごす時などは、どうしても女性にそばにいてほしいと思う時がよくあった。
しかし、X博士は、その、さびしさゆえに女性を求める自分の感情が、あまりに自分を卑小すぎる存在に貶めるいまいましいそれのように感じた。恋愛なんてものを知らなかった少年時代には、そんな感情を抱くことなんて無かったのに。今では少年時代よりも多くの知識を獲得し、アッサラーマ大学に主席合格して、今後地位や名誉も獲得していくであろう、自分が、なぜにこんなにさびしさを感じなければならないのだろうか。
なんとか自分は女性がいなくてもさびしさを感じない人間になりたいと思った。
でもどうしてもそれが無理だった。そして恋愛といわれるものに依存してしまうのだ。
X博士は性欲があまりないし、セックスしたいから女と付き合うというわけではなかった。というかむしろ、セックスという行為自体は単純な反復行為であり、 X博士が理想とする創造の世界とはかけはなれているゆえ嫌うべき行為であった。ただただ反復。なにものも生みださない。おろかな行為であった。
しかし、どうしても女性と付き合うとそういうことになってしまう。
自分女性を求めるさびしさの感情に付随するそれらの現実を嫌悪した。さびしさゆえにおろかな行為を重ね続ける自分。
そしてX博士は決意した。
このような人間としての自分の自尊心を傷つける行為を行なわなくてもいいように、「さびしい」という感情を消去する技術を発明しようと。
そう決意して以来、X博士は日夜研究を重ね、ついには、現代の秘薬「アルバア」を完成させた。
そして自身を、まず第一の被生体実験者に選んだ。
「アルバア」服用後、効用はすぐに出た。
X博士は、以前のようにさびしさを紛らわせるために、どうでもいいような女性と遊びに行ったり付き合ったりすることがなくなった。
しかし、服用後6ヶ月が経過した頃であったろうか。
X博士は、同じ研究室に配属になった新顔の女性のことをどうしようもなく好きになってしまったのだ。
夜な夜なその華奢で色白で理知的な女性のことばかりを考えてしまう自分がいた。
不思議とそれは楽しかった。毎日がその人中心で回っているような気分だった。
X博士は重大な誤解をしていた。
さびしさからすべての恋愛は派生してはいないのだ。
X博士は今まで、恋愛という集合の中の一部の恋愛しか経験したことがなかっただけだったのだ。
「さびしさから派生しない恋愛。むしろ恋愛が始まった後にさびしさが生まれるという創造的恋愛。そんなものがあったのだ!!」
「アルバア」はX博士に大切ななにかを教えてくれた。
2100年か〜だいぶ先ですね〜〜
詠美ちゃんもっと早く「アルバア」を開発してください!
そして、一刻も早い『薬事の申請』をお願いします
PS 今更なんですが、ブログの紹介文ありがとう
ございます(^-^)
詠美ちゃんのブログも結構人気ですネ☆
僕もランキングUPに貢献させてもらいますね^^