俺は、高校3年生の時高校を中退した。 これまでとは違ってクラスが文系、理系に別れて受験という得体の知れない怪物にむかってみんな目の色を変えて勉強し出した。
今までは、勉強なんてしてないぜぃ的なオーラを出すことに全精力を傾けていた俺の高校の友人たちは、今度は逆に勉強しないやつはだめなやつぅ的な態度をとり始めた。
俺は、そんな周りの変貌を見てただ驚くばかりで、肝心な自分はといえば、ぜんぜん勉強なんてしていなかったし、するつもりもなかった。
どうして勉強なんてしないといけないのかなんてその時の僕にはわからなかった。
それにあの偏差値ってやつ。すごく気色悪かった。
俺が大切にしているフィギュアが1万円だとしよう。
そして俺のかあちゃんが持ってる俺の興味の対象にもなんねーワンピースが同じく1万円としよう。
第三者からみるとこの二つのものは同じ値段だからまさに同じ価値のような錯覚をおこしてしまう。
けれどもたぶんそれは違って、僕やかあちゃんにとってフィギュアとワンピースには絶対的な違いがある。それらは互いにいとしき唯一無似のものだ。
お金ってのが物を商品としてカテゴリー化したり違うものを同じにみせる魔力を持つ。
同じように、僕にとって偏差値は人間をカテゴリー化したり違う個人を同じにみせる魔力を持ってるように感じられた。
それが恐いし怪物のように得体の知れないもののように思った。
俺は偏差値ってので自分が他と人くくりにされる受験勉強を憎んだ。
そしてそんな人間をモノ化するものをみんなが崇拝しその数値が1か2上がっただけで狂喜するさまは滑稽でしかなかった。
そんな馬鹿みたいに偏差値に左右される人々が、拝金主義はいけないとか生真面目に語っているのを見たときにゃぁ、うそつけ〜この偽善者!!って心の中で毒づいてたよ。
えぇ、俺は高校という場所に極度の居心地の悪さをもよおし中退することに決めた。後悔はなかった。俺は偏差値なんてもんを信望するキャラじゃなかったんだ。
高校を中退した俺は、ひたすら毎日文章を書いていた。俺の親はそんな俺を静かに見守ってくれていた。まぁなんにも言わないのが一番きついっちゅーたらきついんだけど。無言の圧力ってやつね。そんなものを斜視するかのように俺は文章を書いた。文章を書いた。数値にくくられない人間、世界を俺の文章で紡ぎだしたかった。
そしてよく俺は夜の公園に行った。夜、家の者たちと一緒にご飯を食べるのがあまりにきまづかったのもあるが、なによりそこに行くと昼には書けない文章を書けるような気がしたからだ。
夜の公園の街灯の下。
俺は一心不乱に自分の生きる証明として文章を書いた。
そしてそこで朋美と出会った。
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